|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
〒452-0832
名古屋市西区平出町87
TEL.052-505-7201
FAX.052-505-7204 |
|
|
|
1995年(平成7年)2月、竣工式に向け突貫工事が進む中、「何をしたらいいのかすら分からない」少々焦り気味のむくつけき3人の男たちが、すきま風の絶えない、壊れかけたプレハブの暖房のない寒々とした一室でジンフィーズを飲みながら、決めたことが3つあった。
そのひとつは、「制服(ユニホーム)なんぞはやめよう」理由は簡単で、ひとりの男が極度の制服アレルギーだったのだ。なぜその男が極度の制服アレルギーなのか他の2人にはおおむね察しはついた。70年代に青春を送ったその男は制服に身を固めた連中にこっぴどく痛めつけられた苦い過去を持ち、心やさしき2人はその男の病んだ心を受け止めたのだ。
もうひとつは、「役職で呼ぶことはやめよう」これも簡単に決まった。3人の男たちの中に役職で呼ばれることに陶酔を覚える感覚の持ち主がいなかったことと、役職者がその立場で号令を発するのではなく、合議のもとに事を決め、進めていきたいとの思いを共有することができたからだ。
そして、最後に決めたことがあったが、これは簡単には決まらなかった。それが「同性介助でいこう」だった。
これが、ほろ酔い気分の男たちが決めた平田豊生苑の指針の第一歩だった。 |
(平田豊生苑10周年誌より) |
|